まちと空き家は引力でひかれあう
空き家のアーカイブマップをつくりました
金沢に拠点を構える空き家研究所による、まちの空き家を記録するWebサイト「空き家マップ」の制作をKonelが担当した。空き家とまちが互いに引き合う“引力”のような関係性に着目した、風変わりな不動産検索プラットフォームである。
Issue
空き家はまちの余白である
空き家は単なる未利用資産ではなく、まちに残された“余白”である。その使われ方次第で、まちの空気や風景は大きく変わっていく。空き家を起点とした活動は、まちづくりにおいても重要な役割を担うが、現状では放置されることも多く、その可能性は十分に活かされていない。空き家がふたたび動き出すためには適切なケアが必要である。

Creation
まちを太陽系に見立てた、空き家の引力マップ
金沢城を太陽とし、空き家を惑星に見立てることで、位置をぼかしながらも“まちとの関係性”を可視化するマップを設計した。まちの空き家をみんなでアーカイブしていくプラットフォームとして、閲覧者自身が自由に投稿できる仕組みを実装。さらに、それぞれの関わりが重力のように可視化されることで、主体的な関与の広がりを浮かび上がらせる。正確さではなく、関係性と気配を捉えるインターフェースである。また、空き家とまちの時間の関係を感じてもらうため、地図の道や川を模した時計のスクリーンセイバーも実装。

まちの人も空き家の引力に巻き込むDMも制作
まちの人々へ参加を促すためのDMも制作。表面には空き家研究所の活動哲学を記載し、裏面には空き家マップへの導線を設計することで、日常の中からプロジェクトへの関与が生まれるきっかけをつくった。

Technology
位置情報を“ずらす”ことで守る設計思想
投稿された空き家情報は、実際の位置から意図的にずらし、金沢城を基準とした大まかな距離感と方角のみを反映する設計とした。これにより、場所の特定リスクを回避しながら、地理的な文脈は保持。ユーザー参加型でありながら安全性を担保する独自のマッピングロジックを実装している。


Future
地域ごとに展開する、空き家のインフラへ
本プロジェクトは金沢にとどまらず、各地域に応じた“中心”を設定することで展開可能なプラットフォームとして構想されている。空き家を点ではなく関係性として捉え直すことで、地域ごとの文化や引力を可視化する。将来的にはFC型での導入も視野に入れ、石川県外への拡張性を備えている。